較正システム
トレーサビリティ体系
情報通信研究機構の較正(校正)サービスは、国家標準に至る計量トレーサビリティが確立されたシステムを用いて実施しています。
周波数標準器
(1) 周波数(持込み)
「時間間隔測定法」又は「周波数カウンタ測定法」を使って、被較正(校正)周波数標準器から出力される信号の周波数を求めます。測定時間は、24時間です。
(2) 周波数(遠隔)
GPS衛星から送られる時刻を「コモンビュー法」を使って比較し、遠隔地にある被較正(校正)周波数標準器の周波数を求めます。
(3) 短期安定度
「DMTD(Dual Mixer Time Difference)を用いた時間間隔測定法」を使って、被較正(校正)周波数標準器の周波数安定度を求めます。測定時間は 1, 3, 10, 100 s です。
周波数計
国家標準に同期した信号を測定して、被較正(校正)周波数計に表示される周波数を求めます。
高周波電力計
(1) 小電力計(50 Ω系、導波管系)
「取替同時比較法」を使って、周波数ごとに校正係数(較正係数)を求めます。
(2) 小電力計(75 Ω系)、大電力計(10 W)
「同時比較法」を使って、周波数ごとに校正係数(較正係数)を求めます。
標準信号発生器
現在、較正サービスは提供しておりません。
(1) 出力電力
高周波電力計を接続して、標準信号発生器からの出力電力を周波数ごとに求めます。
(2) 減衰器目盛り
較正されたスペクトル分析器(較正用受信機)を使って、周波数一定の状態で、標準信号発生器の減衰量を変化させて出力電力を求めます。
(3) 基準周波数
周波数計を接続して、標準信号発生器の基準信号源の周波数を求めます。
スペクトル分析器
(1) 基準レベル
「取替同時比較法」を使って、周波数ごとに変換損失(コンバージョンロス)を求めます。
(2) 周波数
較正(校正)対象の周波数の信号を入力して、画面上のマーカーを使って表示された周波数を求めます。
(3) リニアリティ
信号発生器の出力電力を、高周波減衰器を使って変化させて、画面上のマーカーを使って表示された電力を求めます。
高周波減衰器
「中間周波比較法」を使って、周波数ごとに減衰量を求めます。可変減衰器場合はインクリメンタル減衰量を求めます。校正(較正)装置として、ベクトルネットワークアナライザを用います。
アンテナ
(1) ループアンテナ
「標準磁界法」を使って、周波数ごとに磁界アンテナ係数を求めます。標準アンテナには、我が国の国家標準器を使って直接校正されたループアンテナを使用します。
(2) ダイポールアンテナ
「標準アンテナ法」を使って、周波数ごとにアンテナ係数(金属床面からの高さ2m、水平偏波)を求めます。標準アンテナには、Calculable ダイポールアンテナを使用します。
(3) バイコニカルアンテナ
「改良標準サイト法」を使って、周波数ごとにアンテナ係数(金属床面からの高さ2m、水平偏波)を求めます。標準サイトとしては、CISPR規格を満足したオープンサイトを使用します。
(4) 対数周期ダイポールアレイアンテナ(ログペリ)
「標準アンテナ法」を使って、周波数ごとにアンテナ係数(自由空間値)を求めます。標準アンテナには、我が国の国家標準器を使って直接校正された対数周期ダイポールアレイアンテナを使用します。
(5) ダブルリッジドガイドアンテナ(DRGA)、ホーンアンテナ
「3アンテナ法」を使って、周波数ごとに動作利得(自由空間値)を求めます。標準サイトとしては6面電波暗室(FAR)を使用します。
SARプローブ
「標準電界法」を使って、周波数ごとにプローブ係数を求めます。標準電界は、導波管に入射する電力、導波管の寸法、導波管に充填された誘電体の複素比誘電率から決定します。
標準電圧電流発生器
電圧電流計を接続して、標準電圧電流発生器から出力した電圧・電流を求めます。
電圧電流計
標準電圧電流発生器を接続して、被較正(校正)電圧電流計に表示される電圧・電流を求めます。